ふらの市移住促進協議会TOP > 移住者の声 > 山本美麗さん
「“まずは来てみないとわからない“!富良野へ行く前に何度も経験者(移住の先輩)から聞きつづけてきた言葉…。実際に住んだことのない富良野に来て本当にそうだと実感しています」
現在、富良野市の“地域おこし協力隊”として活動を続けている、山本美麗さん。
「富良野に移住したい!」
その思いで地域おこし協力隊に思い切って応募したが、そこに至るまでは、移住するために何をすればよいのか手探り状態だったという。
「電話で(遠方から)住まいを探そうとしても、そこに仕事がないと契約もできなかった」
そんな悩みを抱えつつ、2013年2月に富良野市が開催する移住体験モニターツアーに参加。その直後“地域おこし協力隊”の募集について知った。
“地域おこし協力隊”の活動についてはっきりとイメージはできなかった。でも、自分の経歴と募集対象者の条件が合っているとの予感もあった。
「応募するまでは“どうしよう…”と思っていました。でも決断したら、やるしかないな、って」
若い移住希望者にとって“壁”となる“仕事と住居”が用意されているのも魅力だった。
2013年5月、念願かなって採用が決定。「NPO法人 山部まちおこしネットワーク」の活動と連携して、地域おこし活動に取り組むこととなった。
富良野での生活リズムを掴み、仕事にも慣れてきた頃、“地域おこし協力隊”としてできることとはなにか、と考えるようになった。そんな山本さんを見守る方からアドバイスをいただいた。
「山部の食材でパンを作って売ったら?」
将来カフェをやりたいと考えていた山本さんは、その一言で視界が拓けた。
早速、活動の柱にパンの販売を組み込んだ。パンの生地、トッピング、販売・陳列方法など、毎回試行錯誤しているが「地域のため!カフェ経営のため!」と前向きに取り組んでいる。今ではパンを買うために待っていてくれるお客さんも増えた。
そのほかこれまでの経験を活かし、NPO法人山部まちおこしネットワークや山部@まるごと体験村のホームページ、パンフレットの作成など、山部地区の活性化のために尽力している。
2年目となった現在、“定住に向けての活動”も行っている。任務終了後にカフェ兼住宅として利用するための物件を見つけ、周囲の協力も得ながら自ら改修にあたっている。
「NPO(山部まちおこしネットワーク)という受け皿があったことに感謝しています」
“富良野市地域おこし協力隊”として一人で活動している山本さんにとって、そこでできた人脈はかけがえのないものとなった。空いている物件の情報もその人脈の中から得、さらには、気に入った物件の持ち主もよく見るお客さんのひとりだった。
空き物件は情報収集そのものだけでなく、持ち主の再利用の意思の有無などが絡み、アプローチも難しいと言われる。それでも、「これだ!」という物件に出会えたのは、やはり“来てみた・やってみた”ことが縁を引き寄せたからだろう。山本さんのお話からは、ひとつの行動が次の行動につながっていった経緯が見て取れた。
「今はカフェのことで頭がいっぱい」と話す山本さんの視線は、すでに次のステップへと向けられている。