生まれも育ちも東京。就職したのも新宿の結婚式場という金子さん。30歳を目前にした90年代後半の冬に奥様と富良野に移住してきた。当時は北海道経済の不況もあり、北海道に移り住むという金子さんの決断にはご両親などからの反対もあったという。しかし、「今では時々東京から遊びに来てくれたりしてますよ。」とにこやかに語る。
東京では式場のサービス業、受付、レストラン、営業とキャリアを積んでいかれた一方で、お休みの時にはよく富良野に遊びに来て、富良野を拠点としながら北海道旅行などを楽しんでいたという。その中で、東京での生活に不満があったわけではないが、「いつか富良野に住んでみたいな」という漠然とした思いは常に持ち続けていたそうだ。
富良野に移り住むきっかけを問うと、「やらずに後悔するより、やって後悔した方がいいだろうと思ったので。」と答えてくださった。富良野での仕事が決まっていたわけではなかったが、住まいは知人を通じて中富良野の一軒家を借りることが出来たので、引越し費用の安い1月に移住。その後すぐに今の勤務先である北のみねにある『ニュー富良野ホテル』に就職が決定。金子さんはホテルマン、奥様は農業アルバイトをしながらの生活がスタートした。
2008年の秋に、富良野の布部に一戸建ての物件を購入。布部はドラマ『北の国から』発祥の地とも呼ばれる場所。市街地での生活よりも街から少し離れた場所に住みたかった金子さんの希望通りの場所が見つかった。
現在は、ホテルの支配人のお仕事の傍ら、『フラビィ』という、富良野に住む人達が自ら撮影し、富良野や自分の職場を紹介したりできる映像共有サイトの活動に関わったり、毎年7月に行われる『北海へそ祭り』の運営などにも尽力されている。
お話を聞かせていただいているだけでなんだか楽しい気持ちになってくるのは、日々色々なお客様と触れ合うホテルマン特有のホスピタリティー精神(おもてなしの心)でこちらに接してくれているからだけではなく、金子さん自身がとても魅力ある方だと感じた。「小さいことだけれど」と謙遜しながら、「少しずつでも地域の役に立つようなことをしたい。」と、お仕事で多忙な中、色々な活動に参加される金子さん。
最後に富良野に移住を検討している方へ何かメッセージをとお願いしてみると、「移住に際しては周りの方々の力も勿論必要だが、やはり最後は自分。決して便利と言えないこの土地で暮らしていくには、自分の価値観をどうこの地にうまく当てはめていくかが大事だと思います。結局は、その地で生活ができていれば、移住は成功と言えるんじゃないかな。」と一つ一つ丁寧な言葉を選びながら語ってくださった。
フラビィ(http://www.geocities.jp/flap_alpha/furavie/furavie_top.html)
ニュー富良野ホテル(http://www.furano.jp/nf-hotel/)
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